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大瀑布とハウステンボス [語学]

ずいぶん間が空いてしまった。

書くことがなかったわけでも、殺人的に忙しかったわけでもないのだが、自分にちょっとしたことが起こり余裕がなかった。

実は白内障になり、手術を受けることになったのである。

気がつけば半世紀以上生きてきたが、手術入院は2回目。

1回目はまだ小学校4年の時、扁桃腺切除だった。

ちょうど近視になったのもその頃で、前の年には両目とも1.5だったものが、突然0.15に落ちた。

それ以来、眼鏡やコンタクトの生活になったが、矯正はしていたので、それほど不自由でもなかったのだが、今回はいよいよ手術である。

ここのところ、右目が夕方になると霞み、視力もますます落ちたが仕事柄の眼精疲労だくらいに思っていた。

しかし、所属しているオーケストラの練習で、急に譜面が見えなくなり、演奏に支障をきたすため、眼鏡の調整がてら付属の眼科医院に行ったところ、両目とも白内障と言われ手術が必要となったのである。

これには参った。しかし、ほっといて済むものではないので、さいたま赤十字の眼科に紹介状を持って受診しに行くと、さいわい両目ではなく右目のみの白内障と診断される。しかし、反対もならないとは言えないし、何より「ど」近眼なので、左右の視力のつり合いを取るために両目の手術を勧められた。

説明を聞くだに恐ろしいが、眼鏡を作れない状態のため、両目の手術を決意。ずいぶん白内障の患者は多いらしく、年明けの手術となった。

会社への休暇願を書こうとして、ふと英語で白内障って何というのだろうと気になる。

外資ではあるが、英語で休暇願を書く必要はないのだが、一応調べてみると、"cataract" というそうだ。

見覚えのある単語である。

おお、これは大瀑布ではないか。

滝壺に流れ落ちる水しぶきで白く煙る様子が白内障の霞がかかった感じと同じという語源らしい。

英語の病名はギリシャ語などが多く、難しい単語になることが多いが、「大滝」とはなかなかしゃれた名前をつけたものだ。

さて、仕事上、外人の名前を聞くことがよくある。

語学マニアのため、かなりの名前がどこの国の姓名か判別がつく。

今回は、知り合いが外人とのやり取りで意味がうまく取れないと言っていたので、翻訳のヘルプをしたのだが、少し相手の英語にくせがあるので、何人かなと思って、名前を聞いたところ、聞きなれない姓名だったという話。

名前をきいてみると姓と名の間に「テン」というミドルネームとも言えないものがはさまっている。

とりあえずわからないことは Google 先生に訊こうと思い、検索すると「テン」はオランダ人の姓に現れることがわかった。「ファン」は有名だが、他にもいろいろあるようだ。

「テン」の解説を見ていくと、「ハウス・テン・ボス」の「テン」が同じものだとのこと。

「森の(近くの)家」が原義で Huis ten Bosch という綴りである。

ten は te + den で te はドイツ語だと zu にあたる。

イタリア語やフランス語では前置詞と冠詞の縮約が多いが、オランダ語にもあるとは知らなかった。

ただ、この ten は古い言い回しで現在では決まった表現でしか用いられないそうだ。

オランダ語は大学時代に少しやったことがあるが、英語とドイツ語の中間にあるような言語で新味があまりないのですぐにやめてしまった。

今だったら、比較言語学の対象として大いに興味が持てるのだが、きちんとやってみないとわからないものである。

(この項、11/1 に書き始め、11/18 に書き終える)
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